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おぼえがき

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石川県産うまくちしょうゆ

2018-08-28
各県を比較して、醤油の生産量はさておき流通に目を向けてみると面白いことがわかります。千葉県を筆頭に大メーカーを擁する県はもちろん移出が圧倒的に多くそのため他県のほとんどはそれが移入している状態です。ところが石川県はその中でも珍しい移出県になっています。何か理由があるのでしょうか。大野町というとても小さな地区に30軒もの醤油屋さんがあってそれぞれに代々の顧客を抱えていること、地元料理の味が比較的守られていること、すなわち北陸の食文化味覚に合致していて堅固な流通体制が築かれてきたことと関係しているようです。
 ではそんな北陸の食文化味覚に根差した嗜好とは?アイスクリームも和菓子も一人当たり消費額日本一。甘いだけではなくておいしいものイコールうまいものが大好き。チョッピリなめてみてもおいしいうまくち醤油はソウルフードと言ったら言い過ぎでしょうか?

ネクストフーズいしかわ2001

2018-08-23
日本海側最大級の食品展示会が2001年に関係省庁の絶大なるバックアップをいただいて産業展示館4号館にて開催されました。業界関係者一同が相当な熱意をもって取り組んだことが思い起こされます。醤油の展示ブースは石川県醤油協同組合連合会名義で展開することとなりその準備のための会議が何度も開かれました。石川県の醤油の特長は?ほかとはどう違うの?自分で自分を探し出し定義する、そんなところからの始まりでした。
実はこの議論の最大の論点は「大野醤油」を石川県全体の醤油と見做すのかあくまでその一部として採りあげるのかというところにあったのです。幸い委員諸氏には歴史的な共通認識と理解がありましたので「大野醤油」を軸として構成してゆくことが採択されました。
 ここからは青年部の活躍の場へと移ります。石川県醤油協同組合連合会初のパンフレット制作が企画されました。そのキーワードは?

生揚(その四)

2018-08-17
昭和から平成へと移るころ本物志向が言われるようになってきたからでしょうか、それとも消費量が目に見えて減少するという事態に面して差別化が必要と考えられたからでしょうか、醤油も本来の丸のままの大豆を使うべきではないかということで通称「丸大豆醤油」が俄かに脚光を浴びるようになりました。
 協業工場でも大豆を浸漬するタンクを急きょ間に合わせで設置して試作が行われ、良好なその結果を受け浸漬タンクをもう一基増設して正式に供給を開始することになりました。
 その味わいはまろやかでコクがあってと一般に表現され、これまでのキレのある濃口醤油に馴染んだ消費者の中からも徐々に愛用者が増えると同時に組合員からの要求も多様化し、現在では原料大豆が国産品か輸入品かあるいは有機品かをはじめ、食塩類の種類に差異をもたせるなどして数種類の丸大豆生揚を作り分けるまでになっています。

生揚(その三)

2018-08-09
「うすくち醤油は控え目に」こんなコマーシャルが流れていた時代がありました。一般にうすくち醤油は塩分が高いという認識です。本格派は確かにその通りと言えますがすべてがそうだとは言い切れません。製品としてのうすくち醤油の定義は極端な話、色が基準値以上に薄ければいいだけなのですから。
 とは言え色の薄さが命のうすくち醤油の製造に際してはやはり「うすくち生揚」を用いた方が上質です。原料とその比率そして種菌まで「こいくち」とは別物専用品だからです。
そして何より濃口の香ばしさに対して淡口らしい爽やかな香りをまとうことができます。
 設立当初協業工場ではこれを造っていませんでしたが意欲ある組合員の要望を入れラインナップに加えることになりました。
そこで当時の一工夫、大野醤油らしさを発揮できるように米粉を混醸することでほんのりとした甘みが付与されたのでした。

生揚(その二)

2018-08-06
協業工場が出来る前は醤油屋さんそれぞれがアミノ酸液を自家製造していましたが公害にも比する状況がありました。これを一か所に集約することは急務だったと思われます。その上本醸造生揚とアミノ酸液の両方を生産するということは新式醸造をするにあたって大きな利点となりました。そして新式醸造からできる「新式」生揚を用いた醤油は当地の嗜好に合致し主流を占めるようになりました。
 その後原料不足の改善から全国的に本醸造への回帰傾向が強まる中、アミノ酸液の協業製造も困難となり新式醸造は廃れることとなったのですが、混合における寄与率を基準としてラベル表示の製造方法の分類の中で現在はない「新式」が一時的に生き残りました。
 さて本来の新式生揚は製造しなくなったものの似たものは作れないのでしょうか。協業工場が出した回答が「混合生揚」です。
なぜだかわからない「黄金比」の発見です。
大野醤油醸造協業組合

石川県金沢市大野町4丁目甲18-6
TEL.076-268-1301
FAX.076-268-1302
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